報告書のグラフを自分の資料に引きたい。スクリーンショットで貼ったら、投影したときにぼやけて読めなかった。そうならないための取り出し方と、出典の書き方をまとめました。ファイルは端末の中だけで処理されます。
理由は単純で、スクリーンショットがそのとき画面に映っていた状態を、そのままの粗さで切り取るものだからです。
画面に表示されている図表は、たとえば横600ピクセルで描かれています。スクリーンショットで取れるのはその600ピクセルぶんの情報だけです。これをスライドいっぱいに引き伸ばせば、当然ぼやけます。拡大表示してから撮れば多少ましになりますが、画面の広さが上限であることに変わりはありません。
一方、PDFは図表の形や文字を描き方の情報として持っています。だから「この大きさで描き直して」と指示すれば、画面に映っていたサイズを超える精細さで出力できます。同じ図表でも、取り出し方で結果がまったく変わるのはこのためです。
| スクリーンショット | PDFから変換 | |
|---|---|---|
| 精細さの上限 | 画面の解像度まで | 指定した解像度まで |
| 拡大したとき | ぼやける | 崩れない |
| 余計な写り込み | ツールバーやカーソルが入りがち | ページの内容だけ |
| 手軽さ | 速い | ひと手間かかる |
画面で確認するだけのメモならスクリーンショットで十分です。人に見せる資料に載せるなら、変換して取り出す価値があります。
PDFを画像に変換で、図表が載っているページを画像にします。ここで決めるのが解像度です。
目安は用途で変わります。画面で見るだけなら控えめで足ります。プロジェクタで投影するなら、スライド幅いっぱいに広げても耐えられる大きさが必要です。印刷する場合が最も要求が高く、紙は画面よりずっと細かい表現ができるため、余裕をもった解像度で出しておきます。
迷ったら大きめに出しておくのが安全です。大きい画像を後から小さくするのは劣化しませんが、小さい画像を後から大きくすると必ずぼやけます。
ページ全体を画像にすると、本文や余白まで入ってしまいます。画像の切り抜きで、使いたい図表の部分だけを取り出します。
このとき、図表の題名と凡例、単位の表記まで含めて切るのがこつです。グラフだけを切り出すと、縦軸が何の数字なのか分からない図が出来上がります。読む人が単独で理解できる範囲を残してください。
画像のリサイズで、貼り先に合う大きさにします。大きすぎる画像をそのまま貼ると、資料のファイルサイズが不必要に膨らみます。
スライドに貼る場合、資料全体で図表の幅をそろえると、ページを繰ったときの印象が落ち着きます。1枚ごとに大きさがばらばらだと、内容以前に雑な印象を与えます。
図表のすぐ下に、小さめの文字で出典を書きます。含める要素は作成者・資料名・発行年・参照した日付です。Web上の資料ならURLも添えます。
参照日を書いておくのが意外に効きます。オンラインの資料は更新されるため、「いつ時点の数字か」が後から重要になる場面が必ず来ます。
形としては、次のように1行にまとめれば十分です。
末尾の「より作成」は、切り出したり並べ替えたりして手を加えた場合に付けます。まったく手を加えず原図のまま載せたなら「より引用」「より転載」と書き分けます。この一語があるかないかで、読む人が原図と見比べるときの判断が変わります。
スライドの場合、図表と出典が離れていると対応関係が分からなくなります。同じページの、図表のすぐ下に置いてください。巻末にまとめて並べる形式は、報告書ならともかく、投影資料には向きません。
他者が作った図表を使うとき、扱いは大きく2つに分かれます。
境目は、その図表を外したときに自分の主張が成り立つかどうかで考えると判断しやすくなります。成り立つなら引用に近く、図表が無いと何も残らないなら転載に近い、という見方です。
スクリーンショットは、そのとき画面に表示されていた大きさのまま切り取ります。つまり画面の解像度が上限になります。一方PDFからの変換は、元のページデータから指定した解像度で描き直すため、画面に映っていたサイズを超える精細さで取り出せます。投影や印刷に回すなら、この差がはっきり出ます。
社外に出さない資料でも、出典は書いておくことを強くおすすめします。理由は権利の問題だけではありません。半年後にその数字の根拠を問われたとき、出典がなければ自分でも追跡できなくなるからです。また、社内資料のつもりで作ったものが後から社外提案に転用される場面は珍しくありません。最初から書いておけば、そのとき困りません。
色を変える、一部を消す、数値を書き換えるといった改変は避けてください。元の図表が伝えている内容を変えてしまうためです。見やすさのために拡大縮小したり、必要な部分だけを切り出したりする程度にとどめ、切り出したことで意味が変わる場合は本文で補足します。判断に迷う使い方をするときは、作成元に確認するのが確実です。
送られません。当サイトのツールはブラウザの中だけで処理し、ファイルをサーバーへ送信しません。社外秘の資料でも、データを外に出さずに扱えます。
ここまでの手順は、ページを画像にしてから必要な部分を切り出すという進め方です。ほとんどの用途はこれで足ります。
その先の話をすると、PDFの中には図やグラフが「描き方の情報」のまま入っていることがあり、それを画像化せずに図形データとして取り出せる場合があります。この形で取り出せると、どれだけ拡大しても輪郭が崩れず、色や線の太さを後から調整することもできます。ただしこうした抽出は専用ソフトの領域で、元のPDFの作られ方にも左右されます。図表を頻繁に扱う仕事なら、検討する価値がある方向です。
取り出した画像の容量が大きくなりすぎたときは、「添付できない」を解決する ― ファイルサイズ制限の外し方もあわせてどうぞ。