送信ボタンを押したら「ファイルサイズが大きすぎます」。締切直前にこれが出ると焦ります。原因の見分け方と、画質を保ったまま容量を落とす順序をまとめました。ファイルは端末の中だけで処理されます。
「昔は送れたのに」と感じるのには理由があります。原因はたいてい次のどれかです。
逆に言えば、文字だけで作られたPDF(文書ソフトから直接書き出したもの)は、数十ページあっても数百KB程度に収まります。容量が膨らんでいるファイルは、ほぼ必ず中に画像を抱えています。
作業を始める前に、目標を知る必要があります。ここで見落とされがちなのが、上限は送る側と受け取る側の両方にあるという点です。
自分のメールサービスが20MBまで送れても、相手の会社のメールサーバーが5MBまでしか受け取らなければ、送信は成功したように見えて相手には届きません。しかもエラーが返ってこないことがあり、届いていないことに双方が気づかないまま数日が過ぎる、という事故につながります。
Web申請フォームの場合は、たいてい画面のどこかに上限が書かれています。書かれていない場合、送信して初めてエラーが出ることになるので、先に小さめに作っておくほうが手戻りがありません。
最初に手をつけるのはここです。画像のリサイズで、画素数そのものを減らします。
なぜ解像度が先かというと、効き方が素直だからです。縦横をそれぞれ半分にすると面積は4分の1になり、データ量もおおむねそれに応じて減ります。しかも「小さくした」という結果が目で見て分かるので、下げすぎたかどうかを自分で判断できます。
用途に見合う大きさの目安は、画面で読む書類なら長辺1500〜2000ピクセル程度。これでA4の文字は十分に読めます。手元のスマホ写真は長辺4000ピクセル以上あることが多いので、それだけで大幅に減ります。
解像度を整えたうえで、画像の圧縮をかけます。順序が逆だと、一度荒くした画像をさらに縮めることになり、劣化だけが積み重なります。
圧縮率は、下げるほど容量が減りますが、文字の輪郭がにじみ始めます。判断の基準は実際に使う見え方で確認することです。画面で読む書類なら等倍表示で、印刷するなら印刷して、文字がつぶれていなければ十分です。
ここまでやっても上限を超える場合、PDFの整理・並べ替えでファイルを分けます。
ただし分割は最後の手段です。相手に「3つのファイルを開いて1つとして扱う」手間をかけるうえ、提出フォームが1ファイル指定なら分割しても解決しません。分ける場合はファイル名に 1of3 のような通し番号を入れ、本文でも何分割かを伝えます。
サービスによりますが、個人向けのメールサービスでは10MBから25MB程度に設定されていることが多いようです。ただし数値は変更されることがあるため、正確なところは利用中のサービスの案内を確認してください。より重要なのは、上限は送る側だけでなく受け取る側にもあるという点です。自分は20MBまで送れても、相手の会社のメールサーバーが5MBまでしか受け取れなければ届きません。相手先が企業や自治体の場合は、こちらの上限より厳しいと考えて用意するほうが確実です。
すでに圧縮済みのデータが中に入っている場合、それ以上は縮みません。写真のJPEGは元から圧縮された形式なので、再圧縮の効きは限定的です。PDFの場合は、中身に高解像度のスキャン画像が入っているか、フォントがまるごと埋め込まれていることが原因として多いです。この場合は圧縮率をいじるより、元の画像の解像度を下げてからPDFを作り直すほうが効果があります。
厳密に画質を一切落とさずに大きく減らすことはできませんが、見た目の劣化をほとんど感じさせずに減らすことは可能です。鍵は解像度です。A4の書類を画面や一般的な印刷で読む用途なら、極端に高い画素数は必要ありません。用途に見合う大きさまで解像度を下げてから軽く圧縮すると、見た目を保ったまま容量が大きく下がります。
戻せますが、相手に手間をかけることになります。分割して送る場合は、ファイル名に「1of3」のような通し番号を入れ、本文でも何分割かを伝えてください。なお提出フォームが1ファイル指定の場合、分割は解決策になりません。その場合は解像度を下げる方向で上限内に収める必要があります。
ここで説明した手順は、中身の画像を整えることで容量を下げるという考え方です。多くの場合はこれで足ります。
一方、PDFの内部構造そのものに手を入れる最適化という手法もあります。埋め込まれたフォントのうち実際に使っている文字だけを残す、重複している画像データを1つにまとめる、不要になった編集履歴を削除する、といった処理です。見た目をまったく変えずに容量だけを落とせる場面がありますが、こうした内部処理は専用ソフトの領域になります。大量の資料を定常的に配布する立場になったら、検討する価値があります。
関連する手順として、領収書の写真を1つのPDFにまとめる手順と、複数の書類を1つのPDFにまとめて提出するもあわせてどうぞ。